第8章「人に仕事を与える・任せる」担当 井部俊子

 2023年度の「人に仕事を与える・任せる」セッションは、担当者の都合で第8章になりました。年が明けた2024年1月20日に、対面で開催されました。参加者の大勢はマスク着用でした。当日は塾長あいさつに続いて、第7章のふり返りを20分いたしました。発言の中で「ジョキン」があり、私は「除菌」かと思いましたが、発言者の意図は、「助勤」(リリーフ)でした。

  第8章の目指すところは、「人に仕事を与える・任せる」ことの意義を理解し、現状における自分の仕事ぶりをふりかえり、自分の仕事のやり方を「変える」ためのヒントを得ることです。

  最初にミニレクチャーを行い、「人に仕事を与える・任せる」ことの本質を説明しました。そもそも、マネジャーの仕事とは「他者を通じて、物事を成し遂げること」(中原,2014)であり、できなくてもムリして任せることが、「任せられない」を「任せられる」ことになるのであると述べました。「本来、部下のものである仕事の主導権」を、「サル」という比喩を用いて考えると、適切な「サル」の扱いが必要であり、そのことをサルの餌やりとして述べました。こうしてマネジャーは、自分が行うべき仕事に取り組むための「ゴリラの時間」を確保することができるというわけです。「サル」と「ゴリラ」とういメタファーの概念が十分に理解されなかったのではないかという前回の反省にもとづいて、今回は、過去の受講生の体験をまとめた「仕事を任せるプロセスー受講生は語る」(Nursing Todayブックレット12)を用いて、より具体性をもたせるようにしました。体験記は8項目から構成されます。

1.内省と気づき — 私が「サル」を引き受けてしまった訳

2.「サル」という比喩の力 ―仕事がスッキリと考えられるようになった

3.思い切って任せてみる —任せてみないとわからない

4.部下のつぶやき ―私に「サル」をくれれば引き受けるのに・・・

5.任されることで実感した「任せるとはどういうことか」

6.任す・任されることで成長した

7.任せてからのフォローが重要 ―「サル」を渡す時は信念と忍耐が必要

8.受講生たちのその後 ―サルの罠に落ちていないか

 休憩をはさんで後半はチームワークです。課題は、いかに「ゴリラの時間」を生み出すか。「ゴリラの時間」に何をすべきかです。チームでの議論を、有志から発表してもらいました。発表チームはG、F、Bでした。発表の概略を記します。

 Gチームは、訪問看護ステーション管理者が抱いている「サル」を部下の立場で分析しました。Fチームは、たくさんの「サル」を飼っていた前主任を現主任が分析しました。Bチームは、副看護師長に仕事を任せられない師長が、討議のプロセスを経て、自らやることで以前は達成感があり、任せることに淋しさを感じていた自分に気づきました。

  3事例とも興味深い秀逸な内容でした。他者の仕事ぶりを観察することによって、「サル」を識別することが可能となるというアプローチを発見することができました。

コメントされますか?

コメントするには ログイン してください。