第四章「効果的な会議」当日の様子

西日本の豪雨災害が報道されている8月23日に第四章「効果的な会議」のセッションを行いました。被害にあわれた皆様、関係者の皆様には心よりお見舞いを申し上げます。東京の天気は小雨で強い風が吹いていました。集まってくださった58人の受講者の皆様に感謝申し上げます。
今回は「効果的な会議」がテーマでした。これまでに参加した会議のリフレクション、模擬会議とそのリフレクション、そして会議ガイドラインの作成と3時間という限られた時間の中で盛りだくさんの内容でした。皆様の学びはいかがだったでしょうか。気づき、学び、セッション後に取組んだことなど、ぜひホームページに投稿していただきたいと思います。今回のセッションの様子をまとめてみました。

14時 塾長からの挨拶

井部塾長から、まず、今回のテーマについて、哲学的なものではなく、会議を効果的に行うためにはどうしたらいいのかという実践的な内容であることが説明されました。そして、塾長が議長団として体験した平成22年度日本看護協会総会2日目の「緊急動議」に関わる議事進行について、また心理学者のジェリー・ハービーの提唱する「アベリーン・パラドックス」について、看護のアジェンダ第67回「動議」1)に基づき説明されました。詳しくは、全文がホームページに掲載されていますのでご確認ください。

14時15分~14時50分 「私の出席・参加した会議」

受講者一人ひとりがこれまでの会議経験を通して学び取っている暗黙知を掘り起こしてチームの共有の知識とすることを意図したワークでした。まず、個人ワークとして、直近1か月間に自分の参加した会議を列挙し、そこで自身がとった役割を考えました。そしてそれらの会議の中で最もうまくいったものと、最もうまくいかなかったものをそれぞれ一つづつ選びました。次に、チームでのワークをしました。最もうまくいった会議・最もうまくいかなかった会議とはどのようなものだったのか、うまくいった・うまくいかなかった理由・要因はなにかを話し合い、模造紙にまとめました。うまくいった会議として、「皆が意見を言える」、「きちんと決まった」、「時間内に終わった」などが出され、うまくいかなった会議としては、「意見の強い人に押し切られた」、「意見が出せない」、「批判的な意見がでた」などが出されました。うまくいった会議の理由や要因には、「事前に資料を配布し準備してもらった」、「話し合う内容にあったメンバーを選定した」、「参加者のモチベーションを事前にあげておいた」など会議準備に関すること、会議目的を明確にしたなどが出されていました。

14時50分~15時10分 ミニ講義

パワーポイントを映写しながら、効果的な会議について、担当の吉田から説明をしました。ポイントは次の5点です。①会議を行う上での重要点は、合意の下で会議課題が達成されること、そしてタイムマネジメント、②効果的な会議のためには、会議目的を明確にし、その目的にあった会議スタイルを選択し事前準備をおこなう、③会議進行にはリーダーシップが必要。参加者の相互作用と貢献を引き出し、会議目標に向けてチームを導く、④課題に集中し発言の関連性を整理するために、ホワイトボード等を用いて可視化する、⑤意見の対立には、敬意をもって接し意見を理性的に分析する、そしてルールに基づき決める、

15時10分~16時10分 模擬会議とそのリフレクション

会議を実際に行うことを通して、効果的な会議の進め方についての気づきや学びを得ることを意図したワークでした。初めて看護大学2年生の基礎看護学実習を受け入れる病棟の教育ミーティングという設定です。実習要綱作成前の段階で実習を受け入れるにあたっての心構え、大学への要望、疑問点を整理し、それらについて誰が何を行うのかの役割を明確にするところまでを20分間で話し合いました。看護師長役、主任役、教育担当者役、スタッフ役、そして観察者が決まり、すぐに会議を開始したチーム、主任や教育担当者がそもそもどのような役割をもっているのかのコンセンサスを作って会議に入るチーム、あるいは、まず誰が司会をすればいいかを話し合うチームなど、スタートの仕方はいろいろでした。さすがに皆さんいつも会議をしておられるだけあり、20分間でワーク課題をほぼ達成することができたようでした。

会議の後はリフレクションです。まず個人で会議プロセスの振り返りシートを記入しました。そしてそれをチームで統合し、観察者からフィードバックを得ながら会議のプロセスについて話いあいました。2つのチームから会議結果とその結果に行き着くまでの会議プロセスについて発表していただきました。実習受け入れの心構えを含む3つのポイントごとに話し合うのではなく、緩やかな議題設定をして、発言の内容を3つのポイントとの関連で振り分けながら整理していったという司会者の進行プロセスが紹介され、議事進行の実践知を学ぶことができました。

16時20分~16時55分 会議ガイドラインの作成と赤シールセッション方式での全体共有

これまでの会議に関する暗黙知と本日の模擬会議を通しての学びを統合し、会議ガイドラインとして形式知とすることをねらったワークでした。会議ガイドラインとは、効果的な会議のために行うべきことを7項目~10項目にまとめたものです。最後の項目は会議でこれを言ってはいけないという「禁句」を記載します。10分程度の短い時間の中で、各チーム知恵を絞って模造紙に項目を列挙していました。

赤シールセッション方式での全体共有とは、各チームが「うまくいった会議・うまくいかなかった会議」と「会議ガイドライン」をまとめたポスターを壁に貼り、各自がそれぞれのポスターを味わいに行き「いいね!」と思った項目に赤シールを貼るというものです。ホームページに掲載された各チームの画像をご覧になってください。たくさんの赤シールが貼られた項目は、なるほど!と思わされるものがあります。「禁句」として「だから?」「ムリムリ」「はー?」「で?」「ダメ」などがあげられ、多くの方が共感したようでした。禁句以外でシールが集まったものの中に、「笑っておえる」がありました。今日のセッションで、皆で笑って終った時に、メンバーが言った「こうやって終われるといいね」ということばからの気づきだったと説明がありました。まさしく体験からの学びが言葉として表現されそれがチームメンバーの共通の知となり、そして本日の管理塾参加者の多くの人に響いていったのだと思います。

16時55分~17時

最後に、ファシリテーターの古閑より、ビジネスマンの意見をもとにまとめた効果的な会議を進めるための要点が説明されました。
今日も数分時間を超過してしまいました。申し訳ありませんでした。またもっとディスカッションの時間がほしいなと思われた方もあったと思います。運営の方法についてもっとブラッシュアップしていきたいと思っています。今後ともどうぞよろしくお願いいたします。また次回にお目にかかれるのを楽しみにしております。

文献

1)井部俊子:看護のアジェンダ第67回動議.週刊医学界新聞2888号2010年7月19日

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yoshida

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2 のコメントが “第四章「効果的な会議」当日の様子”にあります

  1. 看護管理塾10章を終えて、その学びを生かす、深めたいと思い講義資料を見返したりしています。

    新年度が始まり、様々な業務が始動しておりますが、今年こそは効果的な会議を!と思う同役職者の会のリーダーを務めることになり、会議についての学習を深めたいと思っています。
    そこで、吉田先生がまとめてくださった「効果的な会議」の出典図書をお教え頂きたく、コメントしました。

    今年は、看護管理をどのように学ぶかも模索中です。。。

  2. takako928さん

    看護管理塾の学びを実践に活用されるのはとてもうれしいことです。

    効果的な会議の資料は、いろいろな文献と私自身の経験をもとに作成しています。事前に打ち合わせをした段階で、古閑さんや伊藤さんからも意見や資料をいただきそれを盛り込んでいます。したがって、この看護管理塾のためのオリジナルです。

    ハウツー本がたくさん出ていますので、下記に紹介しておきます。
    納得できるもの、共感できるものを探してみるといいと思います。
    森時彦 ファシリテーターの道具箱 ダイヤモンド社
    堀公俊 ファシリテーション入門 日本経済新聞出版社
    ほかに
    スティーブン P.ロビンス 高木晴夫訳 新版 組織行動のマネジメント ダイヤモンド社 も一度は目を通されるといいと思います。

    試行錯誤でやりながらご自身が獲得したコツがありましたら、また投稿してください。お待ちしています。

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