第五章「人の強みをみつける」当日の様子

前回からほぼ一ヶ月後の9月27日の開催となりました。暑さが随分やわらぎ、秋の虫たちの合唱が聞こえる中、金木犀の香りに満たされながら看護管理塾の会場にお越しいただきました。その日はちょうど朝の連続テレビ「花子とアン」の最終回でした。井部塾長よりさっそく、花子のセリフから「曲がり角を曲った先に何があるかわからない。でも、それはきっと一番いいものに違いない」という言葉が紹介されました。その後、「しんちゃんの物語」や「ある看護外来の話」が紹介され、ある面から見ればそれはかわいそうな生涯のように思われても、別の角度から見れば必ずしもそうでもないといったお話が紹介されました。人の強みも同様に、ある面から見たら弱みや欠点のようにみえることが、別の面から見ると強みになることがあります。
たとえば、物事を行動に移すのが遅いという人は、一般的には弱みとしてとらえられますが、そのお蔭で失敗を回避していたり、慎重に熟考するという強みになっています。

井部塾長のお話の後、伊藤より、強みをみつけることの重要性を説明しました。ギャラップの調査によれば、強みを活かして仕事をしている人が多い組織ほど、①定着率が高い、②生産性が高い、③顧客満足度が高い、というデータが示されています。また別の調査でも、リーダーシップを強化する上で足りないものを補うよりも、強みに集中して磨いた方が優秀なリーダーになるというデータが示されています。実際、私たちの周りを見回してみても、不足している弱みに意識を向けるよりも強みに意識を向けてその強みを徹底的に伸ばすことで成功している人たちがたくさんいます。たとえば、つい最近も優勝を勝ち取ったテニスの錦織圭さんはそのモデルとなっています。もともとメンタルの強さに定評があったのですが、マイケルチャンを監督に迎えて、さらにそのメンタルの強化と集中力に磨きをかけたことがフルセットでの勝率77%につながっているようです。

一方で、強みは自分だけでは自覚しづらく、第三者から指摘されて初めて気づくこともあります。それは強みが無意識にできてしまっていることだったりするためです。そのため、指摘されても、本人は自覚がないので、あっさりと、「いえいえそんなに大したことではないです」と否定してしまっているかもしれません。この強みに意識を向けていくことは、自分自身においても大切ですが、同時に周りの人たちに対しても大切です。強みを見つけるためのフレームを幾つか紹介しました。

その後、チームで強みを見つけるために「リーダーシップコンピテンシーから見た強み」を指摘しあいました。最初は遠慮があったり躊躇しているチームもありましたが、リーダーシップを発揮する人がいるチームでは、「はい、あなたはこれ。あなたはこれ」といったようにどんどん決まっていくチームもありました。他者から、あなたの強みはこれですよ、と指摘されると最初は照れくさそうにされていた方々も、やはりまんざらでもないというか嬉しそうな表情に変わっていっていました。中には「意外だった」「自分にはそんな強みがあるという自覚がなかった」という声も聞こえてきました。お互いに強みを指摘しあうことは、実際の職場でも重要だと感じました。きっと、部下の人たちや他職種の人たちも自分の強みを同じように自覚していないのではないかと思われます。そうなると、せっかくの強みが磨かれないままになってしまいます。

各自の強みを発見した後は、模造紙を使って、これまで苦手としてきた相手に対する攻略法を「強み」を切り口に検討していただきました。苦手とする相手として各チームから多くあがっていたのは、ベテランのスタッフナースで感情的(否定的な)になる人や逆に感情を出さない人などがあがっていました。中には見下す態度のドクターといった例もありました。それぞれの人の強みを出してもらうと、あら意外にいい人じゃないですか、という印象を持ちました。ただし、現実に、その場面に入ってしまうと、相手の良くない面ばかり見てしまって強みを見つけることすら難しいのではないかと思います。攻略法はいろいろな切り口から出ていて納得させられるものも数多くありました。相手のことをよく理解しないことには適切な攻略ができません。なぜ相手にも強みがありながら、そのような行動をとってしまっているかを理解することで、より効果的な攻略法を出しているチームもありました。

 

この学びを生かして、実際の仕事の場面でも苦手な人がどんどんとなくなっていくと仕事自体がさらに楽しくなっていくのではないかと思われました。

 

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