第九章「やる氣にさせる職場」当日の様子

いよいよ看護管理塾も残すところ2セッションとなりました。
今回は「第9章 やる氣を起こす職場」副題「氣になる中堅を伸ばす」を開催しました。
開講に先がけて井部塾長より第10章の予定内容と時間の変更が紹介されました。
次回は全体の総括とキャリアについて考えていきます。

さて、今回のレジュメの副題に、「氣になる中堅」と入れさせていただきました。これは、毎回、中堅職員の育成で頭を痛めている方が多かったため、予定を変更させていただきました。今回、冒頭でご紹介し忘れていましたが、「氣」という文字を一般的な表記の「気」ではない文字を使わせていただきました。そのことに氣づいた方がどれくらいいらっしゃったでしょうか。これは、あえてこの文字を使ったのです。通常の「気」は内側に「〆」という文字を入れます。これでは、氣の流れが閉じてしまいます。そのため、「米」という文字を使っています。これで四方八方に氣が広がります。

ちょっとしたことのようですが、職員の方たちに対する声掛けや接し方でもこうしたちょっとしたことを意識するかどうかで、相手がやる氣になったり、やる氣をなくしたりします。

今回の冒頭に紹介させていただいたように、ボランティアスタッフですら、正規雇用職員よりも高いパフォーマンスを生み出すことがあるほどです。そのためには、モチベーションが大切です。モチベーションが何によってもたされるかは人それぞれですが、これまでの学者の唱えた理論をもとに幾つかヒントとして情報提供をさせていただきました。

有名なところでは、ハーツバーグの動機づけ要因と衛生要因です。人が何によって満足を得たり、不満になったりするかを調査すると、必ずしも「高い給与」や「労働条件」、「管理監督者との関係」、「マネジメントのあり方」「会社の方針」などは、十分にないと不満になるものの、それが十分だからといって満足にはなりにくいというデータです。これらはすべて外的動機づけと呼ばれるものです。それよりは、「何かを達成すること」や「認められること」「仕事そのもの」が満足要因となっていました。これらは内的動機づけと呼ばれるものです。この傾向は、最近のさまざまな調査結果からも、あまり大きな変化が見られませんでした。

さらに、こうした内的動機づけを部下に与えるマネジメントとしてエンパワーマネジメントを紹介しました。エンパワーとは、パワーを引き出す、あるいは、相手のパワーを認めて勇氣づけることです。『1分間エンパワーメント』からエッセンスを紹介しました。その後、体験的に学習を深めるために、フラフープを使った実習を行いました。2チーム合同での実習でした。チームで協力してフラフープを運ぶという実習です。スムーズにフラフープを運び終えるチームもあれば、なかなかうまくいかず苦戦しているチームもありました。

  • 人数を増やしてもうまくいくとは限らない。
  • リーダーの指示ひとつでメンバーの状況が大きく左右される。
  • 目的(ゴール)をしっかりと共有することの大切さ。
  • 指示をいかにわかりやすく相手が納得できるように伝えるか。
  • 誰に指示をしているかを明確にすることが大切。

おそらくこのようなことを学ばれたのではないかと思います。
チームで成果を上げるためには、

  1. 目的を明確に共有すること
  2. 一人ひとりの役割を明確にし誰に何を期待しているかを具体的にメッセージすること
  3. タスクが機能するようにフレームをつくること
  4. メンバーの協力関係とモチベーション

が重要です。
これは、先に紹介したエンパワーの概念とも共通しています。こういうことによって、メンバーのモチベーションが上がります。

随分前になりますが、2010年8月5日に起きたチリのサン・ホセ鉱山での崩落事故からの奇跡の大脱出にも共通していた点です。600メートルという深さの中、33人の作業員が花崗岩よりも硬い岩の下で、70日も閉じ込められ、全員が生きて脱出できました。奇跡の大脱出の背景には、生き延びるという共通の目標や、一致団結してそれぞれの業務分担を行うこと、助け合うことが功を奏したようです。エンパワーとモチベーションなしには誰も助からなかったでしょう。

話を本題に戻しますが、今回のワークショップでは、モチベーションに抵抗する要素の検討を行いました。これは、ある目標があって、そこに向けてモチベーションを上げようとしても、モチベーションに抵抗する要素が無意識のうちに働いていることがあり、その無意識にはなかなか氣づきにくいために、ワークショップで検討していただきました。

ちなみに、今回、紹介したように、「このままの生活を続けていたら心臓病で死にますよ」と医者から言われても大半の人は行動すら変えないという事実があります。

たとえば、タバコは体に良くないと分かっていても、「人に誘われると断れず吸ってしまう」「ストレスが大きくなるとつい吸ってしまう」などの行動に関するものや、「仲間に誘われて断るのは悪い」という気持ちに関するものがあります。その根底には、「強力な固定観念」として、たとえば「タバコをやめるとストレスがたまる」などがあります。ここまで検討していくと、必ずしも強力な固定観念は意味のないものであったりすることが分かります。行動のブレーキになっていた思い込みが意味のない、取り除くことができるものとわかれば、行動を変えやすくなります。たとえば、「タバコをやめてもストレスはたまらない」というように、自分自身の思い込みが新たになることで、行動が変わっていきます。

チームがうまく機能していないときに、数名のモチベーションの低い(目標に対して行動を容易に変えない)部下が影響している場合があります。そうした状況を変えたくても変えられないでいるとき、マネジャー自身の中にも「阻害する行動」や「阻害する氣持ち」「強力な固定観念」が影響していることがあります。

今回は、後者の、マネジャー自身の中にあるモチベーションを上げられない要因について検討していただきました。
このセッションは自分たちの中にある無意識になっているものに氣づいていく作業だったために、なかなか深めていくのが難しそうにされているグループもありました。「強力な固定観念」に氣づいたグループでは、「あ~、そうだったんだ」とスッキリされている様子が見られました。
不思議と自分たちの奥にあった無意識の阻害感情や強力な固定観念に氣づくと笑いがこぼれている様子が見られました。そこに辿り着くまではややストレスを感じることもあると思いますが、実際には大切な作業です。

私自身は、いろんなグループの討議の様子を見ながら、なるほどなるほどと頷くことばかりでした。タガが外れるという言葉がありますが、無意識の固定観念に氣づくことは、タガを外すことにつながるのではないかと思いました。
話し合った後の模造紙も納得できるものがたくさん出ていましたので、アウトプットに関しては、そちらをご覧ください。

今回、最後にコメントさせていただいたように、なかなか行動が変わらないで困っている中堅職員の方にも、一連の体験をしていただければと思います。案外、自分自身でも氣づいていないので、氣づいた瞬間に何か行動が変わり始めるようです。

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