私の現在の職位は主任です。施設によっては係長と言われるポジションです。
看護長が不在時は管理責任者として、普段は臨床現場でスタッフと時に同じラインで看護実践に
従事する中で、 リーダー業務を行い、委員会1つとワーキング3つと2つのプロジェクトのメンバーというさると
関わっています。
主任なのだから、組織に属する者としては、上司からの期待や自分の成長のために、必要な過程なのだと、
気持ちを奮い立たせながらさるを預かっています。 それぞれのさる山には、ボスが居て、ボスたち(看護長や副看護部長)
から年度初めに、さるを託されました。 さるを囲いすぎると、本来の看護実践業務にも支障をきたすことを理由に、
さるを少し他の人に振ってほしいと申し出ましたが、管理者としての経験値を積むためにどれも関わっておいた方が良いさるである
と助言を受け、今に至っています。
リオ五輪に出場を果たした、Under22サッカーですが、この世代のメンバーは谷間の世代と言われ、国際試合では結果が出せず、
スター選手的な逸材が居ないといわれている集団だそうです。
監督の手腕を絶賛するマスコミが、監督にインタビューすると次のようなことをおっしゃっていて、自分にさるを預けたボスのことを
思うと同時に、私のさるを支えてくれている先輩や同期、後輩に対する関わり方にも通じるのではないかと思ったことがあります。
選手のモチベーション力をアップさせるのが監督の仕事とおっしゃってました。しかしこれはとても難しいことと考えます。
一人一人のことを理解し、良く観察していなければ、できないことです。インタビューでは、ご自身が22歳の時に何を考えていたか、その時のことを思い出しながら、
その選手が納得できる言葉でモチベーションを引き出すような関わりをしているという内容でした。このチームには、スター候補生が数名いますが、フル出場
していた選手は少なく、控えのゴールキーパー1人以外、全員が試合に出場していたそうです。
監督が実践したことの一つに、このチームのミッションは何かを常に選手に語りかけ、選手一人一人が何をしなければならないかを問いかける関わりをし、
皆で戦略を練る習慣が生まれていたことをドキメンタリー風に特集していました。日替わりで毎試合ごとにヒーローが変わり、時に逆転劇を演じて五輪切符を手にしました。
そして、あともう1勝して優勝する!とインタビューされた選手は口をそろえて言ってました。また、監督に思うように乗せられてここまで来た。とても心地よかった。
という内容をマイクを向けられた選手は口々に述べていました。
この出来事を今の自分の立場でこじつけてみると、上司からは、「さる」を巧みな誘い(モチベーションを引き出すことば)で預けられ、私はおだてられて木に登りました。
そして、私自身は、同僚や後輩たちの経験年数や個人の課題を共有しながら、時に、組織の目標、個人の目標を共に確認しながら、状況に応じてさるの一部を共に実践し、
時に任せる関わりができていただろうか? と。後輩に対して助言や労いのことばをかける際に、その後輩の年代の時に、自分はどんなことを考え、何に悩んでいたのか を振り返りつつ、
タイムリーに関わることが出来ていただろうか?と考えました。そして上司が預けてくれたさるをいつか手渡す時に、必要なサポート、見守りができるのかしらという思いを新たにしました。