第5章 人の強みをみつける

秋に珍しい台風が接近する中、10月21日、第5章 看護管理塾を開催いたしました。

今回のテーマは、「人の強みを見つける」でした。導入にあたり、山田塾長より、「ノーリフト」に関する情報提供がありました。看護師に腰痛はあたりまえという意識では、マネジメントにおいても、スタッフが腰の痛みを訴えても、「私も腰が痛いのよね」と答えてしまい、これではマネジメントにならない。オーストラリアでノーリフトについて勉強してこられた方の研究を取り上げ、せっかくあるシステムを使って、大切な看護師スタッフを失わないでほしいという話がありました。

今回のテーマである「強みを見つける」でも、せっかくあるその人の強みを見ないで、弱みばかり見てしまうと、モチベーションも上がらないし、強みすらも出せなくなってしまうという点では共通していると思いました。
管理者自身においても、自分の弱みや苦手を克服しようとするよりも、強みに焦点を当てて、今ある強みを伸ばした方が弱みが薄くなるということもいろいろ立証されています。こうした観点から、自分の強みを点検していただきました。今回は、時間の関係で10個程度しか書き出す時間が持てませんでしたが、じっくりと時間をとって、ご自分自身の強みを少なくとも100個くらいは書き出していただきたいと思います。自分の強みを認識すると、他者とのかかわりにおいて、より一層リーダーシップが発揮しやすくなります。

というものの、今回の章の中でもふれたように、強みは当たり前にできてしまっているので、自覚がない場合も多々あります。この当たり前にできてしまっている強みをどうやって認識すればいいのか、ということですが、極力、他者に聞いてみる、あるいは、他者と一緒に仕事をしてみると、自分はどういう点で優れた部分があるのかがわかってきます。また、中には、せっかくの強みであるのに、その分野においてさらに優れた人だけを見て、自分はまだまだ足りていないと、自画自賛ではなく、自己卑下に陥ってしまいがちな人もいます。これでは、自信をもって周囲に影響力を発揮していくことが困難になります。そういう場合には、まずは、客観的に周囲と比べてどんな持ち味や強みがあるのかを自覚して、完璧になりすぎずに、自分の強みを発揮していく場面を増やしていってもらいたいところです。そのうえで、さらなる高みを目指して自分を磨くことは大切ですが、決して自己卑下や自己価値を認めないという状態に陥らないでいることが重要です。

マネジメントする立場にいる人が、自己卑下や自己価値を下げていると、無意識のうちに、他者の価値を下げるような一言を言ってしまったり、態度で示すことにつながります。これは要注意です。

強みを自覚するために、チームで各人の強みを発見する実習を行いました。ジャックゼンガー氏の「リーダーシップコンピテンシー」を活用して、強みを指摘しあいました。自己認知とグループメンバーからの指摘が共通している人もいれば、かなり違ったという人もいました。自分で認識していなかった強みが明らかになっていた人もかなりいらっしゃったように思いました。もしかしたら、職場でも同じように、自分では自覚していないけれど、他者からは素晴らしい強みとして評価されていることが意外と多くあるのかもしれません。苦手だと思っていることほど、そこに注意を払ったり、努力をしているために、第三者からみれば、強みに映っているということもよくあります。機会があれば、職場でも同僚の方達とこの実習をやって実際の職場でどのように見られているかを発見してみてください。

他者については、自分の強みと異なる強みを持っている人のことは認識しづらい場合があります。たとえば競争的な人から協働的な人を見ると、「弱々しい」と映ることがあります。自分の価値観だけに頼るのでなく、いろんな視点から強みを見ていくことも大切です。

この実習の後、本日のワークで「仕事上インパクトが大きく、苦手とする相手に対する対処方法」を検討しました。苦手な相手を一人選び、なぜ苦手なのかを検討し、第三者の視点から、その人はなぜそのような言動をするのかを検討し、強みを生かして対処する方法を検討しました。この実習をとおして、個人的にはこんな人はちょっと無理かなぁ~と思う相手であっても、別の人の視点から見ると、「業務に忠実でいい人」と映っていたり、こんな対処法でうまくいくのではという回答が見えてきていました。100人寄れば100通りの回答が得られるように、たくさんの智慧が集まって、視点が広がったという感想も聞こえました。案外、苦手な相手は、自分にとって苦手というだけで、誰もが全く同じように苦手と感じていない場合もあります。そんなときには、相手の欠けたドーナツだけに目がいっているのかもしれないとあらためて思いました。相手の中にある、意外な強みや特徴をとらえなおすと、うまくやれる方法やヒントが見え出す。
さらに言えば、自分の中にある苦手意識が相手にも映ってしまって、より一層問題を大きくしているという場合もあるかもしれないと思います。

今回のような切り口を変えて相手を見つめ直す、自分自身を認め直す、ことで、さらに大きく飛躍するチャンスにしていただければ幸いです。

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