目標咀嚼

目標を咀嚼するという部分が非常に難しいと思います。私は一昨年まで学生でした。学生生活で他人の目標を自分の目標にしたことはありません。クラスでこんなクラスにしたいと新学期に立てたことはあったかもしれませんが、そのために何かしたという記憶は一切ありません。あくまで「この学校に合格するために勉強を頑張る」「大会でいい成績を残すために練習を頑張る」など個々の目標にさえ力を注げば、より良いクラス作りに貢献しなくとも評価者(教師)から一定の評価をもらうことができるからです。

今までほとんどやってこなかったことを当たり前のようにやるように言われているのです。目標咀嚼に混乱する人が多いのもなんとなく分かる気がします。個人目標だけを頑張っていても褒められていたのが、社会では協調性のない自己中心者扱いです。価値基準が180度変わってしまったわけです。

そう考えると目標咀嚼を進めるためには、今までの個人目標だけを頑張っているだけでは学生レベル、個人目標に加えて組織目標も頑張るのが社会人レベルという価値基準をしっかり教育することが必要なのかもしれないと思いました。まずは「頑張りたいと思っていないこともやらなければならないのが社会人レベル。そしてそれを実践するためには組織目標をどうやって自分のものにできるか試行錯誤しなければならないのだ」と気づくことだと思います。

だいぶ時間はかかりますが、目標咀嚼を進めるためには意識改革から始める必要があるのではないかと思いました。ただ、そのためには組織にどれだけ貢献したかを測る価値基準と貢献度に応じた報酬を設定する必要があると思います。企業は業績で昇格や昇給が決まりますが、病院は業績という考え方があまりありません。そういう業種と言ってしまえばそれまでですが、ある程度の競争を生むためには、組織への貢献度を測る仕組みの整備をしていかなければならないのかもしれません。

目標咀嚼を病院の職員全員ができるようになるには果てしない労力が必要になるのかなと気が遠くなりつつ、職員が苦しまずに目標咀嚼をできる具体的な方法を自分なりに探っていこうと思います。

 

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rionnosuke

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