第4章_担当:吉田千文

第四章「効果的な会議」
「効果的な会議」を学ぶのはなぜか
9月28日(土)、56人の参加のもとで、第4回看護管理塾を行いました。
今回のテーマは、第4章「効果的な会議」でした。私たちは、何らかの組織に所属し仕事をしています。多様な考えをもつ人々から構成される組織が、よりよく機能することは、人々に必要としている看護をとどけるために必須です。会議は、組織がよりよく機能するために、アイディアを出し合い、方針を決め、共有していく方法の一つです。会議を効果的に行えることは、看護管理にはとても重要なことなのです。第4章の意味を皆で共有して、学習がスタートしました。

「今日の看護管理塾は、会議」です
第4章の学習は、看護管理塾を会議の場ととらえて、効果的な会議のための方法を意識してワークをすすめることで効果的な会議とはどのようなものか、またその方法について体験的に学ぶことしました。

うまくいった会議・うまくいかなかった会議
9月中に「私が運営・参加した会議」について、各自がワークシートに書き出し、「うまくいった会議/よい会議だった」か、「うまくいかなかった/いい会議ではなかった」を評価しました。その後、チームで、なぜうまくいったのか、なぜうまくいかないとおもったのかについて話し合い、全体で討議しました。
ほとんどの方が、会議を書き出すことはできたのですが、よかったのか、よくなかったのか、評価するのに、戸惑っておられました。「いつも通りの会議だったので、うまくいったのか、うまくいかなかったのか、わからないんです。・・・ああ、そうか。どういう会議がいい会議なのかを考えずにやってたということなんですねぇ。」と、改めて効果的な会議について考えることの大切さを認識している方もいました。

うまくいった会議:事前準備
全体討議で共有されたことは、大きく2つにまとめられます。まず、会議の前の事前準備、そして会議をうまく進行する方法です。
看護師長の方から共有された病棟会議を効果的に進めるための方法は、以下のようです。事前準備として、看護師長が、検討すべき事項と報告・連絡する事項を分けて、事前にスタッフに連絡します。そして、検討すべきことは各自が意見をもって参加することとします。報告・連絡事項は、会議の場では取り上げず、各自で読んでおくように求めます。17時15分の終業時刻から30分できちんと決めることはきめ、時間内に決められないことは、「次の回に検討しましょう」といって、きちんと終了するという事でした。こうした方法は、時間外にやっていた会議の改善を主任と話し合い、会議を30分でやろう!と目標を掲げて生み出されたとのことでした。
他にも、何のために会議をおこなうのか、何を話し合うのか、会議開催の目的と目標を明確にしているといった発言もありました。

うまくいった会議:会議の進行
効果的な進行については、次のような方法が共有されました。看護師長会議で、ある医療安全に関連した出来事をもとに管理課題を話し合う際には、看護部長は、自身も含めて参加者ができるだけ現場の状況を具体的に描けるように質問するとのことでした。現場の状況を共有できることで、病棟での人間関係やローカルルールが浮かび上がり、改善に向けた意見や、改善に取り組む際の懸念を含めた本音が話し合われるとのことでした。そして看護部長として、この方法がいい、こうしてほしいと思うことについては、皆の意見を聞いたうえで、「・・・しましょう!」と自身の考えを表明し、皆の意思決定を後押しするとのことでした。
また、在宅の多職種会議の司会を行う管理者からは、職種による考え方の違いによって多様な角度から意見がでる中で、意見をまとめてものごとを決めていくことの大変さが話されました。この管理者が効果的な会議のために行っていることは、何のために会議を行っているのか、何をきめるのかという軸をもって、いつも軸を意識し、多様な意見を軸との関連を考えながら整理しているとのことでした。
ホワイトボードを使う方法も紹介されました。ホワイトボードに何を話し合うのかを表記し、出される意見を書き留めて、皆で会議の目標と意見を整理しながら進めていくというものでした。

会議の慣例を問い直す
さらに、会議の司会を誰がすべきなのか、議題の決め方については、講師を含めて活発な意見交換が行われました。看護師長会議の司会を、看護部長が行わず、看護師長が交代で行う、病棟会議の司会を病棟師長が行わず、スタッフが持ち回りで行うといった方法について、会議は組織運営にとって重要な場であり、看護部長、看護師長が一貫して司会を行うことで、効果的な運営ができるという意見がでました。交代で行う理由は、会議運営を学ばせるという教育的目的でした。会議運営を学ぶには、効果的な会議運営を体験するという方法もあり、会議の目的や議題によって、適切な司会を選定することもできるという意見もありました。
病棟会議などの会議で、議題をスタッフから募集するということについても、募集して議題を集める状況であれば、そもそも会議を開催する必要はないのではないかといった指摘もありました。
こうした活発なディスカッションをし、チームで効果的な会議ガイドラインをまとめました。

リフレクション:今日の「会議(チームでのワーク)」は上手くできたか?
最後に、本日のチームでのワークを、効果的な会議のポイントをもとに振り返りました。時間管理をして進めたのでワークを完遂できた、進行役を決めずにおこなっていた、などの意見がだされました。振り返りの時間を十分にとることができませんでしたので、「看護ものがたり」投稿していただくようにお願いしました。
今日のセッションが、参加者の皆様のそれぞれの職場で活かされていくことを願いたいと思います。

会議で使う人件費
なお、参加者が9月の1か月間に出席した会議数は、平均6.1回でした。
これは、1回あたりの会議時間を1時間と、平均時給を2,500円としたときに、一人当たり15,250円の費用を使っていることになります。100人規模の施設でしたら、ひと月当たりの会議人件費は1,525,000円で、1年間では18,300,000円となります。会議を効果的に行うことの重要性が痛感できます。 

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