第4章「効果的な会議」 当日の様子

オリンピックとパラリンピックが終わり、落ち着きを取り戻してきた秋晴れの9月23日(木)に、2か月ぶりの看護管理塾が開催されました。今回は「会議」に関する研修ということもあり、主催者一同、対面での研修を祈ったのですが、残念ながらリモートでの開催になりました。今回のテーマは、「効果的な会議」です。今回の開催趣旨は、看護管理者として効果的な会議を創り出すための方法を学ぶことでした。

冒頭のミニレクチャーで、なぜ看護管理塾で「会議」について学習するのか。そもそも会議とはなんのために行うのか、どういう機能があり、看護管理とどのような関係があるのかを確認した後、私たちの企画・運営、あるいは参加している会議の現状を振り返り「悩ましい会議」の体験を共有しあいました。

一般のビジネスパーソンを対象とした調査をもとに、参加者の会議の現状をチャットで答えてもらいました。会議には、組織体に公的に位置づけられている会議と共にカンファレンスや打ち合わせも含めました。会議1回あたりの平均所要時間はだいたい30分~2時間で60分というのが多いようでした。ファシリテーターからは5時間(!)の経営会議もあるとの情報提供がありました。直近1か月間に参加した会議の回数は多くは10回以上、中には数十回という方もいました。そして、会議の問題点については、ビジネスパーソンと同様の「会議が長い」「発言しない人がいる」「結論がでない」「目的が不明瞭」などが、次々とチャットに打ち込まれ、zoomの画面をあふれるように流れていきました。参加者の皆さんが、いかに、会議に問題を感じ困っておられるのかが伝わってきました。

会議のコストを会社員の年間平均給与額をもとにざっくり計算すると、年間84万円/人。組織メンバーが10人なら840万円、100人なら8400万円!です。効果的に行わなくてはならないことが実感できます。

チームごとにブレイクアウトルームに分かれての「悩ましい会議」の共有では、看護管理者として会議をなんとかうまく運営しようと試行錯誤している、なまなましい状況が語られました。

「発言する人が限られてしまう」「後だしジャンケンみたいに、会議終了後にいろいろ言ってくる。」といった定番の悩ましさに加え、「会議時間に集まらない。遅れてくる人にそれまでの説明をしなければならず、時間延長になる。」「機能評価のために作った会議があって、何のためにやっている会議がわからない・・・。」「看護部内と違って、多職種が入るとまとまりがわるくなる。防災会議とか、医師はほとんど発言しない・・・。」などなど、修羅場を経験している者だけが語れる体験がつぎつぎと出てきました。

ユーモアを交えての語りに、どっと笑いがおこったり、「そうそう、同じよ。」と共感したり、自身の経験や工夫をもとにアドバイスしあったり、なぜそういうことになるのかと皆で考えたり、活発な共有が行われました。

後半は、効果的な会議についてのミニレクチャーの後、「模擬会議」を行いました。「模擬会議」とは、ミニレクチャーで紹介した「良い会議の4つのステージ」などの理論を意識しながら、実際にチームで「悩ましい会議の解決方法」についての「会議」を行い、その経験をから効果的な会議の進め方を体験的に学ぶというワークです。AチームとBチーム、CチームとDチームというようにチーム同士がペアになり、ペアチームが互いの「模擬会議」を観察し、フィードバックしあいました。

「模擬会議」で検討された「悩ましい会議」は、「発言がでない」「情報共有だけになり、問題解決にいたらない」「会議の重要さの認識か職種間で異なり、参加意欲を感じられない」など様々でしたが、すべてのチームが、20分の時間で、議題とする「悩ましい会議」を選定し、司会者などの役割を決め、会議の問題点と解決方法を検討することができました。また、ペアチームからのフィードバックも、よかった点、改善点などが率直に交換されました。初めて所属チーム以外の参加者と身近に話をする機会となり、画面に映る参加者の皆さんの表情が嬉しそうでした。

最後に、メインルームに戻り、全員で「模擬会議」での学びを共有しました。ここでは、主に、会議での議題や意見の可視化、司会などの参加者の役割について話し合われました。

会議の途中で論点がずれてしまう。それは、会議の目標を可視化していないからだと気づいた。目標をずっと意識して司会することはむずかしい。また、意見をまとめるうえでも情報が見えることが大切だ。記録係にも技術がいる。意見をとらえ、整理して、記録しなければならない。司会者はメモを取り意見を整理しながら進めているから、司会がボードに書くといいのではないか。

zoom会議での可視化は、記録係にさらに技術がいる。画面共有しての可視化では、タイピングと発言のタイミングが合わず、記録を待って発言するなど話し合いが停滞することもある。また、発言の可視化と同時に、会議の記録を作成するのは難しい。会議録を残そうと思うとどうしても丁寧にやってしまう。会議中のメモをそのまま会議録にしていくなど省力化の方法も検討するといいのではないか。などなど。そして、可視化をしながら「模擬会議」を行ったチームから、その効果的な方法が紹介されました。

また、誰が司会者になるのがいいかについては、「悩ましい会議」の当事者が司会をしたチームの経験をもとに皆で考えました。チームメンバーの振り返りでは、話し合いはうまくできたとのことでしたが、チーム担当のファシリテーターからは、会議での相互作用がメンバー間のダイナミックなやり取りというよりも、当事者に対して他のメンバーが助言をするようなコミュニケーションになっていたとのフィードバックが行われました。司会者の頭の中は、会議のタスク達成と会議プロセスの促進について状況把握、判断・意思決定、行動が継続的に行われています。司会者が当事者の場合、この思考過程に加えて、自身の問題把握や問題解決に向けた思考を行っていかなければならず、難易度がとても高くなる可能性があることを認識できました。

最後に、多職種での会議の悩みについて話し合ったチームからの学びを共有し終了しました。

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