第1章「出会い」を終えて

 久しぶりに対面の看護管理塾でした。グループワークをしている間も皆さまの様子を拝見できるというのが嬉しかったです。

 さて、第1章の最後に学びを箇条書きにしてみてくださいとお願いをしました。そこで何を書いたのかはそれぞれの胸の中にしまって解散となりました。それを発表してあの場で意見交換することもできましたが、そこは、看護ものがたりのサイトを活用するのも良いかなと考えておりました。10件ほどすでに投稿してくださった方がいらっしゃいますのでそこからまた対話が始まるとよいですね。コメントにコメントする「コメント返し」を歓迎します。

 さて、本日開催されている看護系学会の特別講演で、元ザ・リッツカールトン・ホテル日本支社長の高野登氏の「サービスからホスピタリティへ」という講演を聞いております。人を幸せにするためにコミュニケーションが大事だというお話です。まさにホテルも病院も人も職員が対象者の幸せを目指して暖かく接するということなのですが、「患者さんは看護師の暖かな一言に飢えていると思います」と高野氏は仰っていました。まさにそうした経験をしましたので、書いてみますね。 

 私の入院体験「ちびた鉛筆」のお話をしましたが、不安を持ちながら病棟にたどり着いた患者にかける言葉として「お風呂入りますか?」というのはあり得ないですね。こうした暖かさのかけらもない業務優先のコミュニケーションが、公然と行われていることについて、看護管理者は何を考え、どう行動したらよいのでしょうか。

 おそらく、その看護助手に注意をしても問題解決には至らないでしょう。その病棟の職員全員が、暖かく患者を迎えるとか、患者の話をよく聴くといったビジョンを共有するところから始める必要があるからです。看護師も自己紹介と称して、自分の名札を患者の目の前につき出し、名前を読み上げることくらいはしますけど、私はそうされると「だから何だ」と言いたくなりました。

暖かさとは「相手のことを知りたい」という気持ちがなければ出てこないのではないでしょうか。それを看護師はアセスメントすると言いますが、患者が看護師に何を知ってほしいと思っているのか、聞いてみたことはありますか?私は、自分の入院について私以上に心配して体調も崩しかねない母のことを看護してほしいと考えていました。そうしたことを聞こうとする看護師は誰もいないと確信しました。なぜなら訪室した看護師は「山田さんはパスなので、特に看護問題はありません」と言い、それで会話を終わらせたからです。

皆さんはコミュニケーションの技を磨くためにどのくらい研修を受けていますか?高野氏いわく、リッツカールトンでは年間100時間をそれに当てているとの事でした。

 患者さんが、看護師と良い出会いをして、家に帰ってほしいものです。

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