第4章 効果的な会議 当日の様子

 2か月ぶりの看護管理塾を行いました。COVID-19の第7波のピークを過ぎたとはいえ、医療現場は厳しい状況が続いていることから、今期初めてのオンライン開催となりました。ZOOM操作の初心者向けには事前に「道場」が開催されましたが、開始時にメイン画面にずらりと並んだ参加者の皆様のお顔は、築地で直接お目にかかる時よりもこころなしか不安げで、緊張しておられるように見えました。

 今回のテーマは「効果的な会議」でした。看護管理者は日常的に様々な会議に出席したり実際に運営したりしていますが、なかなか納得いく会議にはならないのが実情だと思います。現場で多様な人々の協働を創り出すための「要」となる会議を、効果的なものにするための方法を学ぶことをめざしました。

 会議の実情を理解するために、過去1か月間に出席した会議をリストアップして、その会議のために費やしている時間、人員、から会議に投入された総人件費/月を計算しました。各チームの集計結果を下記に示します。
(全体共有でご披露するのをすっかり失念しました。申し訳ありません)

 赤字のGチームのデータは、チームメンバー全員の総計なのか、平均なのかを確認できませんでした。会議に投入する平均総人件費が数百万円を超えるチームもありました。「こんなに費用をかけているのに成果につながっていない。。」とため息が聴かれました。

 次に、「悩ましい会議の解決方法」についての模擬会議を行い、その模擬会議の体験から、効果的な会議のポイントをつかむワークを行いました。チームがペアになり一方のチームが模擬会議をしているときに、もう一方のチームは観察役になり、会議終了後にフィードバックを行いました。スキルを身に着けるには、講義で知識を得るだけではなく、自らやってみてその経験を省察し重要点やコツをつかむことが効果的だという経験学習理論に基づいたワークでした。

 模擬会議で話し合われた「悩ましい会議」は、当事者が「つるし上げられる」と感じ、誰も発言しないために再発防止策を検討できないインシデント検討会、会議で検討すべき課題が取り上げられず研修運営の打ち合わせに終始している教育委員会、的の外れた意見が多くまとまりがつかない会議など様々でした。

全体討議では、共有Stageの会議の目的・目標を含むOARRの共有が会議の成功にとって極めて重要であること、OARRの設定には時間が必要であり、会議開始の前に、事前準備として行う必要があることが共通して共有されました。また、限られた時間で会議を行う際には、その会議内で到達可能な目標に調整することなども上がりました。

対面での研修と異なり、オンライン研修では、他のチームの状況を互いに知ることができませんでしたが、管理塾終了後のファシリテーターMeetingでは、発表できなかったチームも、効果的な会議のポイントを、①模擬会議で話し合った「悩ましい会議の解決方法」の内容そのものから、そして②自分たちが行った模擬会議の経験の省察から、学び取っておられたことが担当のファシリテーターから報告されました。

会議の共有、拡散、収束、明確化の各Stageを体感しながら模擬会議をおこなえ、観察役のチームと対話をしながらフィードバックを受けることのできる十分な時間がなく、参加者の皆様の中には不消化感をもったまま終わった方もおられるとおもいます。企画者として反省しております。次年度の企画に反映させたいと思います。

終了時間間際になりましたが、最後に看護のアジェンダの最新号「看護師長会議の議長は誰がすべきか」の筆者の主張についての意見を伺いました。多くの方が「看護師長会議の議長は看護部長が担うべき」に賛成。一方で、教育・訓練の機会として、議題によっては必ずしも看護部長以外の者が行ってもいいという意見も出されました。それぞれの意見を「看護ものがたり」へ投稿していただくことにしました。

本日の学びを現場の会議に活用していただけると嬉しく思います。ご参加ありがとうございました。  (吉田千文)

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