第5章「人の強みをみつける」当日の様子 担当:齊田浩一

2022年10月15日土曜日に、第5章「人の強みをみつける」が開催されました。前回の第4章は、COVID-19の第7波の影響によりオンライン開催になりましたので、7月に開催された第3章以来3か月ぶりの対面開催となりました。

山田塾長から、塾長のお母様がご利用されている看多機(看護小規模多機能型居宅介護)の職員から「お大事になさってください。」と言われたエピソードについてお話しがあったあと、私の看護管理塾講師デビューとなるプレゼンを開始しました。

 本章では、人の強みをマネジメントに活かすために、①自分とチームメンバーの強みをみつける、②部下や上司、同僚、他職種の人など、他者の強みに焦点をあて、職場における苦手な相手との効果的な関係の築き方を学ぶ、の2点を目標にしました。

 最初に、皆さんに欠けたドーナツのスライドを見ていただきました。ピンクのおいしそうなところが沢山あるにもかかわらず、まず目に飛び込んできたのは欠けた部分だった、という方がたくさんいらっしゃいました。私たちは、完成されていないものがあると完成させたくなるという傾向があって、欠けた部分や足りない点に自動的に目がいくようになっています。このような現象を「ツァイガルニク効果」と言い、日常生活の中にも様々なところで使われています。私達には、人の弱みに目が向いてしまう、そんな傾向があることを自覚し、人の強みを意識的に見ようとする努力が必要です。

 強みをみつける方法として、①自分自身の経験を振り返る、②友人や家族、職場の仲間など他者に聴く、③診断ツールを活用する、の3つの方法があることを紹介したあと、ワーク1では、「セリグマンとピーターソンの強みリスト」を使って、自分とチームメンバーの強みをみつけました。看護管理塾を受講して、これまでチームメンバーと一緒に過ごした時間はそれほど多くはありませんが、お互いの強みをチェックしてフィードバックする際に、選んだ理由をしっかりと伝えておられる様子を拝見し、素晴らしいと感じました。患者さんやスタッフとの、これまでの数多くの関わりの経験から、相手の強みをみつけ出す力を身につけておられるように感じました。チームメンバーから自分の強みを伝えてもらうと、照れくさそうな表情や嬉しそうな表情をされておられる方など様々でした。チームメンバーからのフィードバックにより新しい自分の強みを発見でき、お互いに感謝の気持ちを伝え合っておられる姿に感動するものがありました。

 ワーク2では、職場で苦手とする相手をチームで1事例取りあげて、どうすれば効果的な関係が築けるようになるのか、より良く仕事をするための対処方法をまとめました。取り上げられた事例は、9チームのうち8チームが看護師の同僚(上司や先輩、部下や後輩)で1チームは救急医でした。苦手な相手の強みに焦点をあて、チームメンバーから違う視点で意見が出されると、自分自身の強みや弱みによって、相手の捉え方に影響があることがわかりました。チームでまとめた成果物は、3チームごとにクロス・グループ・プレゼンテーションをおこない共有しました。

私たちは、チームのマネジャーとして、他者の強みを活かすことを意識し、スタッフ一人ひとりの強みを活かす責任があります。そして、スタッフのパフォーマンスがあがり、看護の質が良くなり、病院や施設など、組織としての生産性の向上を目指さなければなりません。

職場に戻られたら、職場のスタッフや患者・利用者、組織のために、人の強みを活かしたマネジメントを実践してみて下さい。

井部先生からコメントをいただいた、【公平】と【平等】の意味や使い方について調べました。

【公平】かたよらず、えこひいきのないこと。「―に分配する」(広辞苑)

【平等】かたよりや差別がなく、すべてのものが一様で等しいこと。「―に扱う」「男女―」(広辞苑)

【公平】と【平等】は、同じようなことを言っているようで大きな違いがありました。公平が担保されて初めて平等は推進されるものと言えます。講義に使用する資料は、言葉の定義や意味を理解したうえで引用し提示するように気をつけたいと思います。

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saida

介護老人保健施設あつたの森(名古屋市)で看護管理者をしています。

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