2022年度の看護管理塾もあと2回を残すのみとなりました。
第9章「やる氣にさせる職場づくり」いかがでしたでしょうか?
今回はチーム体験の実施に鑑みて、対面+テーブルを囲んでの開催となり、
会話も弾んでいるように感じました。(環境によっても「やる氣」上がりますよね?)
さて、本章の目指すところは、下記といたしました。
Chapter1:やる氣とは何なのか/やる氣の源泉を知る
Chapter2:チーム体験を通じて、やる氣にさせる職場を考える
Chapter3:やる氣にさせる職場づくりに向けて、実践出来るアイデアを創出する
→本章を通じ、各々が現場で”動き出せる状態になること”が最終ゴール
Chapter1では、やる氣ってそもそも何なのか、その意味合いを確認し、
メンバーのやる氣が上がった、もしくは下がった経験をナラティブに語っていただきました。
今回はやる「氣」の字を使っています。普段使いの「気」とは中の文字が違いますね。
- 米は日本人のエネルギーである。活力の源である。
- 「氣」が常用されていたのは1940年代以前、つまり戦前の日本です。今は常用外です。
そうです。普段使っている「気」は、実は戦後の日本で使われるようになった字になります。
米はエネルギーが八方に広がる様、メはエネルギーを〆る(しめる)様を表しています。
当時、統治の為に日本という国を調べつくしたGHQがそうさせたという説があります。
日本にまた戦争を起こす「氣」を起こさせないように・・。本当でしょうかね。すごいですね。
(確かに、日本には言霊という言葉があり、言葉や文字の持つエネルギーが信じられていますね)
→本章では、物事を積極的に進めようとする気持ち、八方に広がる意味でこの字としました。
最近、やる氣になったエピソードをナラティブに語っていただくと、
◎職場のちょっと改善したことに気付いてもらえた/自分の意見が認められた
/患者さんが退院する際に お礼を言われた/悩みを聴いてもらい、 逆に勇気づけられた
/ボーナスをもらった。。
色々ありますね。 逆にやる氣を削がれた経験では、
△頑張ってるのに、更に数字のことを言われた/いつでも否定しかしない
/意見提案をして少し考えておくよ!でそのまま放置/やる氣になった経験が最近ない。。
皆さんご苦労されてますね。
その後、モチベーションの源泉という意味でモチベーションリソースを紹介しました。
もし、いまやる氣が上がらない、モヤモヤしてる、そんな状況だとしたら、改めてこれを用いて、
自分のやる氣の源泉は何なのか?棚卸ししてみると、色々な気付きがあるかもしれません。
(また、メンバーについてもやる氣の源泉を探ってみてもらうと良いかと考えます。)
職場のメンバーをやる氣にさせるのも、やる氣を削ぐのも管理者次第だと私は考えます。
その方にとってみたら、皆さんのような管理者こそが”環境そのもの”になり得るからです。
Chapter2では、チーム活動を通じてやる氣にさせる職場を考えていただきました。
ペーパータワーというゲームで、チームの仕事に取り組んでもらう
(一旦の成果としては、タワーの高さ) というものでした。
チーム体験は振り返りを交えながら、2回実施いたしました。
職場の状態はどうだったのか、やる氣はどうだったか、良かった点は、改善点は、、、、
チーム体験自体もそうですが、振り返りも大変盛り上がりましたね。
成果としてのタワーの高さが高かったチームの話を聞くと、
◎成果物の出来上がりイメージが共有できていた/良いと考えたアイデアをどんどん言えた
/意見やアイデアが出た時に取り入れるかどうかを議論、肚落ちしたこと(手を止めてでも話す)
/役割分担して、仕事が効率的に進んだことetc
残念ながら、成果が出なかったチームにも話を聞くと、
△作業しながら、お互いの出来上がりイメージが実は違っていた
/良いと思ったことを言えなかった /時間が足りなかった
/時間終了直前にタワーが崩壊した/人手が足りなかったetc
一方で高さは足りなかったけども、土台はしっかりできた。美しさは一番。
コミュニケーションは取れていた。 そんな意見もいただきました。
一旦の成果はタワーの高さとしました。仕事の質という意味ではそこが重要ではあるのですが、
プロセスに目を向けているのが素晴らしい。振り返りをし、やり続ければ成果は必ず出てきます。
成果はアプローチ×能力×時間×やる氣です。 どれがゼロでも成果は出ません。
(チーム力、人工も変数として入るという意見もありましたね)
仕事に全然やる氣出ないんですよね。と仰っていた方がいらっしゃいました。
確かにチーム体験中も1回目は暗かったそうです。でも2回目は溌剌と仕事をされておりました。
チーム活動の中で行動が変わっていった。なにかやる氣が出たポイントがあったんでしょうか?
何かしら気付いた箇所があったなら、それは大変有意義な時間だったのかと思います。
Chapter3では、E・L・デシの自己決定理論を元にやる氣にさせる職場のイメージを共有し、
自職場の問題点を改善するアイデア出しを実施いただきました。
更に、効果性や重要性、実現性を考慮して実行し得る施策まで落とし込みました。
(内容は写真ご参考)
紹介したやる氣にさせる職場のイメージ(3大要素は自律性/有能感/関係性)
1.目的意識のある職場 (何を以って成果とするか、目的が共有されている)
2.コミットメントのある職場 (メンバー全員が主体的に関わっていく)
3.役割が明確な職場 (メンバーの役割が明確である)
4.プロセスが明確な職場 (ルール、方法、約束事などが定められている)
5.コミュニケーションがとれている職場(協調的な関わりでチーム内が活性化している)
6.信頼のおける職場 (他のメンバーを信頼している)
→あら不思議、チーム体験で高い成果を出したチームで出てきた意見と類似していますね。
第9章の最後としては、勝手ながら私の想いもお伝えさせていただきました。
今日わかったことは出来ることに、出来ることは実行できることに、
実行出来たことは実行し続けていけるようにしていただきたいです。
看護管理塾での気付きを気付きで終わらせず、行動発揮や習慣にしていってもらいたいです。
日々の仕事は忙しい、人は増えないのに仕事ばっかりが増える。何も変わらない組織や人がいる。
葛藤・苦労や気持ちは私もわかります。でも、それって待っていても変わるんでしょうか?
変えていくのは誰の役割なのでしょう?
チーム体験においても、1回目に「人手が足りなかった」といっていた3人チームの方々が、
2回目に大きくタワーの高さを更新されました(素晴らしい!)。
もしかしたら、工夫や改善次第で何か変えられることがあるかもしれません。
会社や組織としての仕組みはもうあるから、医療の報酬制度は決まったものだから、、
それも理解できます。ただし、決まった枠組みの中でもっと出来ることもあるはずです。
「マネジメントって辛いですか?」
私はマネジメントってポジティブで、挑戦的で、楽しいものであってほしいな。と考えます。
人や組織を通じて成果を出すってめちゃくちゃやりがいがあり、面白さのあることです。
様々に動く中で、やる氣にさせる職場を目指すはずが、いつのまにか自分の心に火が灯っている。
そんな活動になったら素晴らしいなと考えます。
皆さんの奮闘を期待しています。
微力ながら、第9章が皆さんを「やる氣」にさせる一助となると幸いです。
ozawa
最新記事 by ozawa (全て見る)
- 第9章「やる氣にさせる職場づくり」 当日の様子_小澤真純 - 2023年2月27日