第2章「マネジメントに取り組む」担当 吉田千文



青空の下、チャペルの鐘の音がながれる6月の土曜の午後、聖路加国際大学臨床学術センター3210教室で第2回看護管理塾を行いました。

塾長のあいさつの後、第1章「出会い」の振り返りからスタートしました。学びをもう一度確認しあうチームもあれば、『前回の学び以来、様々な経験の一つひとつが「出会い」と思え感謝の思いが沸き上がる』といったメンバーの語りに、深く胸打たれるチームもありました。それぞれに、前回の管理塾後に現場で新たに実践したこと、深まった考えをチームで共有しあいました。

次に、中尾根ファシリテーターのリーダーシップで、皆で「看護ものがたり」サイトへアクセスする練習をしました。全員が投稿できる準備状態になったことを確認し、第2章「マネジメントに取り組む」の学習に移りました。

今年度の受講者の参加申込時のアンケートから見えた「参加にあたっての思い」は、次の大きく4つにまとめられました。『看護管理者として成長したい』『自身の管理者としての思考の枠組みを再構築したい』『管理のスキルを高めたい』『看護や看護管理に対する思いを語ってリフレッシュしたい』です。昨年や一昨年と異なる点は、主任/看護師長になった。あるいは新任の主任/看護師長としてこの1年やってきたが、マネジメントがつかめない。マネジメントについて一から学びたいといった、看護マネジメントの初心者が看護管理者としての姿勢や、ものの考え方、マネジメントの方法を基本から学びたいという声が多くあがっていたことです。

そこで、今年の第2章の学習目標は「看護マネジメントの魅力を見出し、実践を通して成長していくために」と学習の目的を掲げ、「看護現場で体験している現実の中から、看護マネジメントとは、何のために、どうすることかを探究する」としました。第3章からマネジメントの様々な知識とスキルを学ぶ旅にでますが、第2章は、その旅を通して「看護マネジメントとは?」を問いながら探究していけるよう、今の時点のその人なりのマネジメントの「持論」をつかむことをめざしました。

吉田のミニレクチャーでマネジメントを捉える大枠を理解した後、看護管理の現場で感じている困難感ややりがいなど、看護管理者としての思いをチームで出し合い、共有しました。そして、「看護マネジメントとは、何のためにどうすることか」という問いに向き合い、チームメンバーとの対話を通して考えを深めていきました。

チームごとにホワイトボードを取り囲み、メンバーの言葉を書きとったり、自分の思いを書き込んだりしながら熱いディスカッションが進みました。「皆が目的を共有するため」「職員が楽しく仕事をするため」「やりがいを感じられるため」「達成感を感じられるため」「仕事ができる環境を整えるため」「職員間のお互い様が機能するように」、そして「対話をすること」などの言葉がキーワードとなって、「看護マネジメントとは」が徐々に言葉になっていきました。

全体共有では、手を挙げてくださったチームの発表の毎にディスカッションしました。「看護マネジメント」と、なぜ「看護」をつけるのですか?「マネジメント」とどう違うのですか?という声が上がりました。井部ファシリテーターから「看護管理者が行うマネジメントだからです」という意見がありました。沢山のディスカッションをしましたが、「まだもやもやしている。」という苦しい思いを発言してくださった方もいました。

多くの受講者の皆さんが、自分の実践から懸命に看護マネジメントを考えていることが伝わってきました。今回つかんだ看護マネジメントについての自分なりの「仮説」について実践の中で確かめたり、更新したりしながら、歩いて行けるといいと思いました。

最後に、もっと学びを深めたい方のために、参考文献を紹介しました。井部先生ご執筆の「マネジメントの探究 ライフサポート社」の表紙に刻まれている言葉を記載しておきます。

重要なことは、

あなた自身が何を知っているかではなく、

あなたが知る必要のあることを、

誰が知っているかを、

あなたが知っていることである

この本は、なかなか手に入りづらくなっているようです。図書館などでご覧になってください。また、次回お目にかかりましょう。   文責 吉田千文


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