第4章「効果的な会議」担当 吉田千文

今年度の第4章「効果的な会議」は、2019年度以来4年ぶりの対面研修で行うことができました! これまでのWEBでの研修では、ZOOM環境でのチームワークやその後のディスカションがなかなか効果的に進められませんでしたが、今回は広々としたアクティブラーニングの教室でホワイトボードを十分に使って話し合うことができました。

今回の学習目標は、会議の原則を理解し、「悩ましい会議」の問題点を検討すること、そして効果的な会議方法に関する理論をもとに、その改善方法を検討することでした。

最初に、講師から「会議の五悪」として、望ましい会議とはどのようなものかを考える手がかりをご紹介しました。次に、チームでのワークに移りました。メンバーのそれぞれの「悩ましい会議」について共有し、事例を一つ選択してなぜ悩ましいと思うのか、何が生じているのか、問題点はなにかを話し合いました。あちこちのチームで事例提供者の悩みに共感したり、一緒に憤ったりするなど、活発な相互作用がおこなわれました。

休憩をはさみ、再びミニレクチャーで、効果的な会議の条件と「会議の五悪」を攻略し効果的な会議にするための方法が説明されました。

「決して行わず」「行いてその責をとらず」の攻略方法の説明の際に、井部講師から、議事録確認の大切さがしてされました。次の会議時に前回の議事録を確認しつつ、決定事項がその後どのようになっているのかを確認するのです。本当にその通りでした! 議事録確認は、議題の最初に上がっていることが多いのですが、議長が「修正がある場合は会議の終了までにご指摘ください」などといい、次の議題に移ってしまいがちです。議事録確認の目的は、記録として残る文書の正確性を高めることだけではなく、決定事項の実施状況とその結果について確認することでもあったのだと、私自身の体験を思い出し改めて認識しました。

 レクチャーでは時間の関係でお話しできなかった、私の会議の体験をご紹介します。聖路加看護大学にの教授会に出席してとても感銘を受けたことが2つあります。その一つが、議事録の確認です。議長である学長が毎回、議事録案をもとに前回の検討項目と決定事項を簡潔に読み上げ、重要事項についてはその場で進捗の情報共有がされます。5分程度ですが、議論の経緯が整理されこれから始まる会議の準備が整うのを感じました。ちなみに感銘をうけたことのもう一つは、会議前のお祈りです。「神様、看護を学ぶ者のために、よき判断ができるよう私たちをお導きください」と皆で祈ります。私はこれで、参加者全員が、会議は何のために行うのか改めて認識し、会議に向かう姿勢ができると思いました。

さて、管理塾に話をもどします。ミニレクチャー後に、「悩ましい会議」の改善点をチームごとにホワイトボードを囲み話し合いました。いろいろなアイディアが提案され、事例提供者が現場の状況に照らして吟味し実行可能性について意見を返し、「それならば、こうしたら」と、さらなるアイディアが出されるという、熱い意見交換が続きました。

各チームが検討した「悩ましい会議」は「病棟会」「看護師長会議」「病棟運用会議」「サービス向上会議」など様々でした。「悩ましい」と思っていることは、「委員を出せないといって会議に委員を出さない部署がある」、「スタッフが定刻にあつまらない、ナースコールで途中退席する」、「発言者が決まっている」、「いつも提案を否定する人がいて司会が苦痛だ」、「迷走する発言への対応にこまる」、「議題を募集すると沢山の検討事項が集まって決まった時間内に話し合わなければならないと思うとストレスだ」、「会議では議論がされず終了後に決まったことに文句を言う人がいる」、「決定事項に対して『できません』といわれ後から覆されてしまう」、などでした。

全体ディスカッションの中では、会議そのものやり方の改善と共に、会議の組織上の位置づけを明確にすることの重要さも話し合われました。「サービス向上委員会」のような組織横断的で多職種委員で構成される会議での決定事項は、組織の決定として位置づけられなければ、効力を持たないということです。私たち講師にとっても気づきとなりました。

参加者の皆様は、話し合いで検討されたことをいかして、是非会議の改善に取り組んでいただければと思います。

最後に「会議の司会」について、管理塾の最中も、終了後も質問がありましたので、私の考えをお伝えします。私は「会議の司会は訓練された人によって効果的に仕切られるべき」とWestを引用し説明し、井部講師もこの考えに賛同し強調されました。それに対して、実際に司会の経験を積まなければ、司会のスキルを身に着けることはできないではないかという意見や質問がありました。

たしかに、効果的に会議を行うスキルを身に着け高めていくには、経験が必要です。しかし、やみくもに経験させるのではスキルは身につきません。教育の目的を明確にし会議の企画段階から運営までを通して経験から学ぶことを支援する教育体制を整える必要があります。そして会議参加者に教育を行っていることを断る必要があると思います。そうでなければ、組織の重要課題を検討する会議が非効率的なものになり、組織運営に支障がでてしまいます。会議にかかる人件費などのコストも無駄になります。

看護学生の実習に置き換えて考えてみてください。学生が看護師になるために直接患者に触れケアをすることは不可欠ですが、看護は本来患者のためにおこなうのすから、実習によって患者に危害が及んだり、回復が遅れることのないように実習の方法を考えておられると思います。患者ケアの難易度と学生の力量をはかりながら、受け持ち患者を選定し、実際の看護ケアも学生が行っていいものと、熟練した看護師がおこなうものを識別していると思います。そして学生がケアを行う前には、学生の患者理解の状況や、ケアの目的・方法を理解し事前に練習してきたかを確認して実施する、終了後には、学生と共にリフレクションをして学生の経験を学びにつなげる支援をしていると思います。

部下の会議のスキルを向上させる際も同じように考えてはいかがでしょうか。

初心者にとっては、模範的な実践を見ること、その実践の過程で行った判断を知ることがよき学びにつながります。看護師長会議では看護部長が、病棟会議では看護師長が、まずは自ら模範的な会議の運営を示すことが大切ではないかと思います。効果的な会議を参加者として体験することから学ぶことは多いと思います。

現場では色々なトライアルをされ効果を上げておられるかもしれません。その方法と効果を是非おしえてください。現場にこそ真実がありますので私たちも学びたいと思います。よろしくお願いいたします。

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