秋が深まる中、2023年10月14日土曜日に、第5章「人の強みをみつける」が開催されました。当日は7名の欠席がありました。
山田塾長のあいさつでは、身体拘束等の廃止について減算対象となるベッド柵の取り扱いについてお話しがありました。
第4章「効果的な会議」についてチームで振り返り、この約1か月間のそれぞれの取り組みについて共有した後、第5章を開始しました。
本章では、人の強みを活かした看護マネジメントについて学ぶために、①自分とチームメンバーの強みのみつけ方を学ぶ、②他者(部下や上司、同僚、他職種の人)の強みに焦点をあて、職場における苦手な相手との効果的な関係の築き方を学ぶ、の2点を目標にしました。
最初に、皆さんに欠けたドーナツのスライドを見ていただきました。ピンクのおいしそうなところが沢山あるにもかかわらず、まず目に飛び込んできたのは欠けた部分だった、という方がたくさんいらっしゃいました。私達は、完成されていないものがあると完成させたくなる、完了されていないと完了させたくなるという傾向があります。欠けた部分や足りない点、つまり人の弱みに自然と目が向いてしまう、私達には、そんな傾向があることを自覚し、人の強みを意識的に見ようとする努力が必要です。
強みをみつける方法として、①自分自身の経験を振り返る(自己認知)、②友人や家族、職場の仲間など他者に聴く(他者認知)、の2つの方法があることを紹介しました。「ジョハリの窓」を用いて、自己評価と他者評価の両面から自己分析することで、自分の強みをより全体的に、より正確に把握することが出来ることを説明しました。
ワーク1では、「セリグマンとピーターソンの強みリスト」を使って、自分とチームメンバーの強みをみつけました。看護管理塾を受講して、これまでチームメンバーと一緒に過ごした時間はそれほど多くはありませんが、お互いの強みをチェックしてフィードバックする際に、どうしてその強みを選んだのか、お互いにしっかりと伝えておられました。患者やスタッフとの、これまでの数多くの関わりの経験から、相手の強みをみつけ出す力を身につけておられるように感じました。チームメンバーから自分の強みを伝えてもらうと、「人に褒めてもらうっていいですね。」「こんなに幸せな時間はめったにありません。」と嬉しそうな表情をされ、新しい自分の強みを発見できたようでした。
自己認知と他者認知によって発見できたそれぞれの強みを、「ジョハリの窓」のフレームを使って整理しました。ファシリテータの古閑さんから、ジョハリの窓について説明していただきました。開放の窓、盲点の窓、秘密の窓、未知の窓の4つの窓のうち、自己認知と他者認知が一致する開放の窓を広げることによって、自分の強みを発揮しやすくなり、効果的なマネジメントができるようになるようです。
ドナルド・クリフトンは、強みは才能と投資の相乗効果によって形成されると述べています。今回、新しく発見できた自分の強みを意識して、さらに磨きをかけていけるといいですね。
ワーク2では、職場で苦手とする相手をチームで1事例取りあげ、どうすれば効果的な関係が築けるようになるのか、より良く仕事をするための対処方法をまとめました。取り上げられた事例は、11チームのうち10チームが看護師の同僚(上司や先輩、部下や後輩)で、その内2事例は訪問看護ステーションでの事例でした。1チームは医師の事例を取りあげていました。強みと弱みは表裏一体で、視点をどこに置くかによって見方を変えることができます。苦手な相手の弱みを強みに変換し、その強みに焦点を当てることによって、効果的な関係を築きやすくなることがわかりました。チームでまとめた成果物は、他のチームと共有し学びを深めました。
私たちは、職場や組織といったチームのマネジャーとして、他者の強みを活かすことを意識し、スタッフ一人ひとりの強みを活かす責任があります。その結果として、スタッフのパフォーマンスがあがり、看護の質が良くなり、病院や施設など、組織としての生産性の向上を目指さなければなりません。
職場に戻られましたら、スタッフや患者・利用者、組織のために、人の強みを活かした看護マネジメントを実践してみて下さい。

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