前回(第2章)が6月1日でしたので、約2か月ぶりの看護管理塾でした。井部塾長より、第115回看護のアジェンダ「にが笑いの反動」(週刊医学界新聞)について説明がありました。6月18日に起こったいわゆる「都議会ヤジ」騒動とその波紋を受けて、井部塾長は、女性発言者の振る舞い方5か条をまとめました。看護管理者にも参考になることと思います。
続いて、倉岡より、中原淳著「駆け出しマネジャーの成長論」について、詳しく説明しました。倉岡は、看護師長の経験学習の研究に取り組んでおり、そこで出会ったのが、この本です。本の帯には「鍵はプレイヤーから生まれ変わること!」とあり、この言葉はマネジャーとしての仕事を考えるうえで大前提となります。看護管理塾では、新任看護管理者の1年間の成長物語をコンセプトにしているので、7月の看護管理塾の教材としてふさわしいと考えました。「駆け出しマネジャーの成長論」によると、マネジャーの仕事とは「他者を通じて物事を成し遂げる」であり、「エキスパートとしての自分のあり方を一部捨て、自分以外の人に仕事を任せることが求められる」とあります。このことは、マネジャーになることの最初にして最大の課題といわれています。続いて、経験の浅いマネジャーが直面する7つの課題を説明し、受講者全員の投票によって、チームで検討する課題を3つ選びました。選ばれたのは、1位「部下育成」(14票)、2位「マインド維持」(12票)、3位「プレマネバランス」(9票)でした。3つの課題について、4人の方が、実際に困っていることを発表してくださいました。4人の方の発表を聞きながら、大きくうなずいている方が何人もいらっしゃいました。倉岡より、7つの課題の詳細と乗り越えるためのポイントを説明しました。
チームでのワークに移りました。①3つの課題について効果的に乗り越える方法を具体的経験にもとづき語り合う、②このような状況でこうしたらうまくいった、のようにストーリーでポスターにまとめる、ことに取り組みました。効果的に乗り越えた経験を持つ方ばかりではなく、まとめることに苦労したチームもあったと思います。まとめていく過程で、7つの課題が全てつながっていることに気付いたチームも多くありました。特に「プレマネバランス」が重要で、“自分は管理者である”と覚悟を決めることが管理者としての出発点になるといえそうです。覚悟を決めることで、部下に任せるべき仕事が見えてきて、部下育成につなげられる、覚悟を決めることで、折れそうな心を支えることができると考えられます。他にも、「目標咀嚼」や「政治交渉」などの課題も連動して見えてきました。
発表方法は、第2章に続きクロスグループインタビュー形式をとりました。他のチームの発表を聞くことで、効果的に乗り越えるための方法をさまざま知ることができました。第3章では、ナラティブに考えてまとめることに挑戦できたと思います。
第3章での学びを言葉にしてみてください。
kuraoka
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