第六章「イノベーションを起こす」当日の様子

秋の気配を感じる10月末の開催、ハロウィンが近づいていたせいもあり、用意されたお菓子にはカボチャの顔が印刷されていました。
さて今回のテーマは“イノベーションを起こす”でした。
Opening、パワーポイントで映し出された冒頭のレジメの表紙・・・スーツケースの歴史、何だかわかりました?人類は5500年の間「車輪」というものを発明しながら、趣味の様に重い荷物を持ち続けたわけですね・・笑!(^^)!   この比喩は、「私たちの身近にも、もっとたくさんのイノベーションのヒントがある」というものでしょうか? それを私たちは“ただ気づかないだけ”かもしれません。

イノベーションの定義

イノベーションをシュムペーターは「創造的破壊」と言い、ドラッカーは「価値の創造」と言いました。
昨年までは看護管理者自身がどのように組織で、そして病棟や職場でイノベーションを起こすのかをテーマにしていました。もちろんそれも大事ですが、今回は “Innovation as Usual ” つまり日々の仕事のなかにイノベーションは潜んでいる。その潜んでいるイノベーションを、部下が起こすことを支援する人が看護管理者(Innovationの設計者としての看護管理者)であるという位置づけでイントロが始まりました。まずは、イノベーションの定義を「昨日とは違う行動によって、成果を生むこと」とここでは定義しました。

S字カーブ

ところが、いざ考えてみると・・・「日々に仕事でイノベーションを起こすったって、何から起こしたらいいか分らない」と思うかもしれませんし、私のように“イノベーションを起こすったって、そのきっかけがよく判らない?”という感覚を持つ人もいるわけですね。そこであるモデルをご紹介しました、「S字カーブモデル」です。我々の仕事の成果の中で、やり方の中で、仕組みやシステムの中で時間の経過と共に成果が停滞している、機能していな、関係があまり変わらない・・・等々いわゆるS字の頂点に来ている部分があれば、それはイノベーションが起きる可能性がある場かもしれません。

そして、そのS字の頂点に来ていそうな事柄の〝前提となる我々の仮説(パラダイム~paradigm)は何か″に疑問を持つことがイノベーションの第一歩かもしれません。その看護管理の事例として今回の章のゲストプレゼンテーターとして来ていただいた聖路加国際病院の岩崎ナースマネジャーにイノベーションの事例を紹介していただきました。

イノベーションの事例~新人看護師の病棟教育体制~パラダイムを疑い、そしてイノベーションへ

“新人教育における最近の成果(パフォーマンス)に関する問題意識から”

看護大学生の実習にて新たな気づき

実習対象学年:看護大学4年生

実習期間:2~3週間(その間夜間実習は2回)

実習内容:複数患者を受け持ち、日勤、夜間帯ともに実習する。臨床看護師がプリセプターシップのように関わり、臨床実践に近い形をとった実習

実習感想(夜間実習に関して):①患者の様子を24時間通して把握することができ、学習となった。

②学生がナースコールを受け、患者に対応でき、やりがいを感じた。

※イノベーションのヒント「夜間実習が、学生にとって多くの学びの機会であるなら、新人看護師に夜勤勤務を、早期に導入することは、有用なのではないか・・・・」

 

パラダイム(前提となる仮説)「新人教育は日勤からするものである」・・・本当にそうなの?

「単純作業の多い夜勤業務から始める新人教育は有効ではないか」パラダイム(前提となる仮説)を疑い行動を変えてみた結果、新たな成果に結び付いた。

※質疑応答の時間があまり取れなかったのですが、幾つかの質疑を聞く限り、たぶんその問題意識を共有しているメンバーは多かったような感じでした。ただ前提となる各自の病院・病棟の状況(設備・人員配置・機能・制度・システム)が違うため、我々に生かせるかどうか?の質問だったように考えられました。与件の違いを明確に提示して質問されれば、さらに参考となる応答がなされたかもしれないと感じました。

日常のイノベーションのための5つの行動 +1

①フォーカス(Focus)

②外の世界と繋がる(Connect)

③ひねる(Tweak)

④選ぶ(Select)

⑤ひそかに進める・ステルスストーミング(Stealthstorm)

看護管理者は自らイノベーションを起こすことをも重要ですが、むしろ「イノベーションの設計者」としての機能が期待されているわけです。そのためには上記の5つの行動が重要で+あきらめないということを推奨しています。私は今回特に「フォーカス」と「外の世界と繋がる」をご紹介しましたが、それはイノベーションに成功している多くの企業がこの二つの行動を重視しているからです。要はただやみくもに「イノベーションを起こせ」と部下に行っても思考が発散するだけですし、「自社だけのメンバーで考えろ」といっても、思考は狭い範囲でグルグル回るだけですから、特にこの2つの行動は重要だと思っています。

 Workshop「職場にイノベーションを起こす」

6つの観点でイノベーションが起きそうな場を探してもらいました。イノベーションのテーマを探す旅へ出たわけです。多くの事例が出ました。人間の育成に関するもの、感染管理に関するもの、人事制度に関するもの、組織の構造や制度に関するもの、仕事のやり方進め方に関するもの、・・・・等々

ポストイットセッションでは多くの“いいね!!”が集まりましたね、また“同じ課題を抱えています、イノベーションを参考にさせてください”といった励ましや期待のメッセージもありました。私が目についたテーマは「中堅看護師の育成・動機づけ」というテーマです。いつかこのテーマで1章を使って皆さんでイノベーション・ブレークスルーするWorkshopをやりたいですね。

 

 

お疲れ様でした・・・Innovation as usual

ホントに毎日に仕事の中にイノベーションを見つけ出せそうです。事例をどんどん投稿してください。

 

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