第8章 イノベーションを起こす

都内の至る所で残雪があり、築地の地下鉄への階段を上る途中には冷気が吹き付けていました。
そんな中、今年初めての管理塾に寒さをものともせず、インフルエンザにも負けずに頑張って来て頂いたことに感謝致します

さて今回のテーマは“イノベーションを起こす”でした。

Opening、
「イノベーション」と言う言葉から連想するものは何でしょうか?
私は言葉の響きだけを聞くと、「天才的な科学者が創り出すもの」というイメージですが
皆さんはどのように連想しましたか?

◆イノベーションの定義
イノベーションをシュムペーターは「創造的破壊」と言い、ドラッカーは「顧客価値の創造」と言いました。
どちらの定義にも「天才的な科学者が創り出すもの・起こすもの」というものではないので、我々看護管が組織で、そして病棟や職場でイノベーションを起こすのも可能ではないかと思います。

今回はもっと踏み込んで “Innovation as Usual ” つまり日々の仕事のなかにイノベーションは潜んでいる。その潜んでいるイノベーションを部下が起こすことを支援する人が看護管理者(Innovationの設計者としての看護管理者)であるという位置づけでワークショップをProgramしました。

◆S字カーブモデル(イノベーションの場所を見つけるには、どうしたら良いのか?)
技術的成長・性能・成果・根底となる仮説~などにはすべからくS字で示されるカーブが存在する。
ここではリチャードフォスターのS字カーブモデルをご紹介しました。
我々の仕事の成果・やり方・仕組みやシステム・そして考え方の前提の中で、時間と経過と伴に成果が停滞している、機能していな、関係があまり変わらない・・・等々、いわゆるS字の頂点に来ている部分があれば、それはイノベーションが起きる(起こさなくてはいけない)可能性がある場かもしれません。
そして、そのS字の頂点に来ていそうな事柄の〝前提となる我々の枠組み・箍・思い込み・前提・仮説(パラダイム~paradigm)は何か″に疑問を持つことがイノベーションの第一歩かもしれません。

◆イノベーションの事例
フィリップスのCTスキャナーの事例をご紹介しました
「医療器機の優位性・競争力を上げるのは解像度・スピードである」という考え方・仮説から
「医療器機の優位性・競争力を上げるのは“顧客経験価値を理解し解決することである」という考え方・仮説に変えることによってイノベーションが起こったわけです。
我々が提供しているサービスを、我々の視点・考え方・仮説・価値観ではなく”顧客“の視点で見てみると(顧客・ステークホルダーの考え方・視点・枠組み)新たな価値が生まれるかもしれません

子供の視点で見る・感じることによって得られた体験が、イノベーション(新しい顧客価値)に繫がった訳ですが、これは共感的に理解する能力に長けた看護師の強みを発揮できる得意分野とも言えるのではないでしょうか?

◆クローズアップ現代
「認知症で縛られる!? ~急増・病院での身体拘束~」
1月11日にNHKのクローズアップ現代で紹介された「身体拘束」の一部を紹介しました
Openingで山田塾長から紹介されたものです

私はかなりショッキングなデータですが、今後も増加していく可能性が高い問題ですから
今回はこのテーマを使ってWorkshopすることにしました。

Workshop
テーマ「ここ数年身体抑制が批判されている、しかし現実の医療の現場では身体抑制がされてる」
STEP-1 「前提となる考え方・仮説・価値観」

STEP-2 「これからの考え方・仮説・価値観」

STEP-3 「解決策・イノベーションのアイデア」

ワークショップ後、2チームにプレゼンテーションをしていただき、学習を共有化し深めましたが
プレゼンテーションやその後の赤ポッチセッション●で皆さんはどの様に感じましたか?
私がこのSessionを皆さんと一緒になってやってみて感じたとは
「身体抑制」は突きつめていくと「科学」だけでなく「哲学」にも通じる深いテーマなのかもしれないと
感じました。
それはマイケル・サンデル教授の白熱教室で取り上げれた「トロッコ問題」にも通じる、
そんなテーマだったのかもしれません。
皆さんはどう感じましたか? 投稿をお待ちしています。

トロッコ問題_参考_資料

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