第4章>担当:吉田千文

9月29日(土)第4章「効果的な会議」の学習目的は、「看護管理者として効果的な会議を創り出すための方法を学ぶ」、学習目標は次の4つです。
① 日頃、運営または参加している会議を評価する。
② 効果的な会議とはどのようなものか理解する。
③ 会議を効果的なものにするための具体的方法を考える。
④ ③の実行に向けた決意をする。
構成はミニレクチャーのほか、「私の出席した会議」について評価するワーク、「会議ガイドライン」作成ワーク、そして発表と討論でした。
 
山田塾長からのあいさつの後、担当の吉田からミニレクチャーを行いました。
レスリー A.パーロウら.(2018)の最新文献(「会議の三重苦を解決する5つのステップ」.Diamond Harvard Business Review.June.pp102-112.)を紹介しました。①多くの組織幹部が会議に疲弊しているけれども、協働や創造性のために、また人間関係を育み適切な情報交換のために会議は不可欠と考えていること、②組織が生産性をあげるためには、個人が気を散らされることなく高度な認知能力を使って課題に集中するディープワークと、集団でのワークのバランスが重要なこと、③会議の回数、タイミング、進行の拙さが会議の三重苦であること、④これらの三重苦によって組織と個人の両方の生産性・協力体制・福利の損失を招いていること。
今回のセッションでは、パーロウらの提案する会議の問題解決のステップに沿って、会議の現状を評価し、効果的な会議運営について学ぶこととしました。
まず、会議が及ぼす影響について評価しました。ワークシートを用いて過去1か月間に出席した会議を列挙し、そこで費やした時間、参加者人数を書き出し、時給2500円(年収500万円の場合の時給換算)としたときの会議の経費を出しました。シートに書ききれないほどの会議に出席している方もおられました。「こんなにかかっているなんて初めて知った・・・。」「会議にこんなに書けているなんてもったいない」といった言葉が聞かれました。各チームの平均をホワイトボードに書き出しました。写真をご覧になってください。会議は、協働のために必要な仕組みですが、そのものは何の利益も生み出しません。『効果的な会議をしなければ』 と、受講者の皆さんの意識が高まりました。

次に、「生産的」だった会議の経験を話し合い、共有し合いました。退院支援の退院前カンファレンス、インフルエンザのアウトブレークを防ぐことにつながった院内感染対策会議などが受講者の方から紹介されました。これらの話から、会議を効果的に行うための要素として、開催の必要性の判断、タイミングの判断、会議主催権限をもつ者へのアプローチ、会議目的にあった出席者の選定などの事前準備、運営スキルなどが浮かび上がってきました。

最後のワークは、これまでの話し合いや講義を踏まえて、効果的な会議をおこなうための行動を考え、それをもとに会議のガイドラインを作成しました。そして、2つのグループの発表をもとに全体で意見交換しました。
会議資料を事前に配布し読んでもらって参加してもらう、議論を活発化させるためにあらかじめ発言を依頼しておく、など事前準備の他、集中しておこなえるようPHS対応者をつくり入り口でPHSを預かるといった項目も紹介されました。会議での禁句には「エー・・」。「溜息」「できない。」「無理。」などがありました。(各チームのポスター写真をご覧ください)
参加者の主体的な参加を促し、民主的に意見交換をしつつ進めるための項目が目立ちましたが、古閑講師から異なる視点が提示されました。管理者としてある事柄を「決めたい」「決めなければならない」会議もあるはずで、その時は誰に発言してもらうのかなど、戦略的に進行を計画することが必要ということでした。
会議は生き物です。出席者の考えと感情が複雑に交差する会議のダイナミックスを見極めながら、司会者は時間内で会議目的を達成するため、その場で最良の判断をしていくことが求められます。新しい提案に対して「えー!」と否定的な感情が表出されたとき、その感情をどのように受け止め、理性での話し合いに戻していくか。最後に出席者が納得できる結論に行きつくよう会議を運営していく手腕が問われます。皆さまがどうしているか、経験をもとに話し合えると、もっと学びが深まったのではないかと、担当者としては反省しております。

わかりやすい簡潔な文で効果的な会議のためにはどういうルールが必要か、スタッフや関係者と話し合い皆様の組織の会議ガイドラインをぜひ作っていただきたいと思います。会議室に貼り、皆で共有して会議をおこなうことは効果的な会議に有効です。管理塾終了後、参加者の皆様はどのように行動されているでしょうか。投稿を楽しみにしています。

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